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最高裁判所第三小法廷 昭和45年(オ)734号 判決

主文

理由

上告代理人木村一郎の上告理由について。

原審の確定した事実関係のもとにおいては、大塚繁夫から上告人に対する本件為替手形の裏書は、原判示の取立委任文言の抹消によりその時から通常の譲渡裏書となるものであつて、所論のような期限前に遡及して通常の譲渡裏書となるものではないから、期限後裏書であるとしたうえ、被上告人の相殺の抗弁を認めた原審の判断は、正当として是認することができる。所論引用の判例は、事案を異にし、本件に適切でない。原判決に所論の違法はなく、論旨は、ひつきよう、原審の認定にそわない事実関係に基づき独自の見解に立つて原判決を非難するものであつて、採用することができない。

(裁判長裁判官 天野武一 裁判官 関根小郷 裁判官 坂本吉勝 裁判官 江里口清雄 裁判官 高辻正己)

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